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編集長の目(コラム)

2013年04月14日(日) 日本サッカーのアジアでの役割。

2010年W杯終了後、中国スーパーリーグの「杭州緑城足球倶楽部」へ全権監督に岡田武史監督は就任しました。


あれから1年。


杭州緑城足球倶楽部は16チーム中12位と、降格ギリギリの状態を乗り切りなんとか残留を果たした。


そんな1年目を過ごした岡田監督はこんなコメントを残しています。

「自陣で敵が2人いるディフェンスで、一人がボールホルダーに行ったら、もう一人にはカバリングを考えたポジションを取れ、と俺は言う。でもボールホルダーがディフェンスに対しておどおどしていたなら、カバリングはいらないという判断も出てくるし、もっとおどおどしているヤツだったら2人とも奪いにいけばいい。自分の責任で判断するのが選手。奪いに行ったら、意外とうまくて抜かれるということもそりゃあるよ。でも最悪なのは、監督がここにいろって言ったからって何も考えずにカバリングしているヤツ。それは俺に言わせりゃ選手じゃない。日ごろの生活で人に言われたことだけやっていたら、試合のなかでも責任を持って判断できなくなる」



なぜ、彼らは責任を持った判断が出来ないのか。

そのクラブでは選手は寮生活を行い、細かなところまで管理されているという。


決められたルールの中で生活していく中で、選手自身で判断しなければいけない事を奪われてしまった結果そのような選手が育ってしまうのだと、岡田監督はそう言った生活、人間性の部分から根本的な改革を進めてチーム作りをしている。


これは日本の育成環境にも当てはまる部分があると感じます。


今、なぜ教育が見直されているのか?


それは日本の歴史や様々な要因が関係していて、サッカー界だけでなくとても重要な課題に挙げられています。


スポーツと言う角度からそういったことも考えたチーム作りは、今日本全国で少しづつ広まっているので、数年後日本のそういった指導者たちがアジアで活躍し、アジア全体のレベルが上がる事と信じています。



ところで岡田監督は、なぜ日本ではなくアジアだったのか?


なぜ中国だったのか?


以前、番組の中でこうコメントしていました。

「自分の子供や孫が大人になったら、日本はアジアの他の国と一緒に仕事をしていかないといけない。自分がその子供達に残せることは、そうなった時に少しでも良い関係性や環境にしておくこと」と。


スポーツを通した人のつながりを世界で感じた監督の一言にはとても重みを感じたことを覚えています。


現在アジアNo.1の日本。

日本のアジアの中での役割はそんなところにもあるんではないかと思った今日この頃でした(笑)


ではでは。また来週。

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